第3回 ワインを楽しむためのコツ
皆さんこんにちは。せせらぎワイナリー案内役のハジメです。全国的に梅雨入りが早く、天気がすぐれない日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。
じめじめとした気候で気分が乗らない時には、すっきりとしたワインを飲んでリフレッシュできると素敵ですよね。
さて、今回はワインをより楽しむためのコツについてお伝えしたいと思います。
1 温度
皆さんはワインを飲む際、どれくらいの温度で飲んでいますか。例えば「赤ワインは室温」と言われたりしますが、ワインの種類によって最適な温度が異なります。
ブドウの品種や産地などによっても変わってきますが、だいたいの目安は下のような感じです。
・スパークリングワイン→6〜8℃
・白ワイン→8〜14℃
・赤ワイン→14〜18℃
同じ赤や白でも、温度の幅があるのは、ワインのタイプで適した温度が変わってくるからです。白ワインの場合は酸味があってスッキリしたものは低めの温度、コクがあるものはやや高めの温度、赤ワインの場合は軽やかなものはやや低めの温度、重厚なものは高めの温度で飲むと良いでしょう。また、甘口ワインは温度が低めの方がおすすめです。温度によるワインの味わいの変化としては、温度が低いと酸味や爽やかさが増し、温度が高いと渋みが和らぎ甘やかさが増します。(ちなみに、上で触れた「赤ワインは室温」というのはあくまでもフランスの室温のことであり、日本の一般的な室温では高すぎるのでご注意ください!)
そうは言っても、ご自宅できちんと温度を管理するのは難しいかと思いますし、高級ワインでなければ、細かな温度を気にする必要はありません。冷蔵庫からワインを出して飲むという前提でお話しすると、スパークリングやスッキリとした白ワインは飲む直前に、コクのある白ワインや軽めの赤ワインは飲む10分ほど前に、赤ワインは飲む30分ほど前にそれぞれ冷蔵庫から出しておくとよいでしょう。
2 ペアリング(料理との組合せ)
ワインを飲む際、ワイン単体で飲む方より食事と一緒に合わせて楽しむ方のほうが多いかと思います。実際、どんな食事にどんなワインを合わせるかということはワインを楽しむ上でとても重要となります。
ちなみに、ワインと食事の相性の良い組合せのことを「ペアリング」と言い(ワイン以外の飲み物についても使われます)、特に素晴らしい組み合わせ(別の要素を組み合わせ、新たな味わいが生まれる)のことをフランス語で結婚を意味する「マリアージュ」と言います(最近では、マリアージュよりもペアリングが使われることが多いようです。)。
ペアリングはとても奥が深いので、自分もまだまだ勉強中です。なので、ここではよく言われるセオリーのようなものをお伝えしますので、食事やワインを選ぶ際のご参考にしてみてください。
①同じ要素を組み合わせる
料理とワイン、両方に同じような特徴がある場合には相性がよい組み合わせとなることが多いです。例えば、チキンの香草焼きにとハーブの香りが特徴のソーヴィニヨン・ブランの白ワイン、ジビエのスパイス煮込みとスパイシーさが特徴なシラーの赤ワインを合わせるというペアリングです。
②同じ色味を組み合わせる
よく赤ワインには肉、白ワインには魚といいますが、これはまさに「色味」に着目した組み合わせと言えるでしょう。牛の赤身肉のステーキと濃い赤ワイン、白身魚のカルパッチョとスッキリとした白ワインは王道のペアリングかと思います。
③産地を合わせる
ワインと料理の「産地」を合わせるのも王道のペアリングです。日本酒と和食が合うように、その国・土地の料理とそこで作られたワインは基本的に相性がよいです。一例をあげれば、トマト煮込みとイタリアのキアンティという赤ワイン、和食と日本の固有品種である甲州を使った白ワインといった組み合わせがこれにあたります。
④相反する要素を組み合わせる
①と矛盾するものですが、あえて異なる要素を組み合わせるというのも意外と相性のよいペアリングになります。甘口ワインと塩味の強いブルーチーズのペアリングがよく知られています。
3 保存
ワインはデリケートなお酒です。暑いところに放置しておくと、ダメになってしまう恐れがあります。いいワインを長期で保存したいという場合には、ワインセラーをおすすめしますが、わざわざセラーを買うほどでもないという方も多いかと思います。そのためご自宅で保存する場合におすすめなのが、冷蔵庫の野菜室です。冷蔵庫だとワインの保管には温度が低すぎるのですが、野菜室であれば少し温度が高いので、簡易的に保存するには十分だと言えるでしょう。飲む前には、(特にスパークリングやすっきりとした白ワインは)冷蔵庫の冷蔵室の方に移しておくとよいと思います。
それでは今回のおすすめワインです。前回と同じくイタリアはプーリア州の「イル・プーモ・ソーヴィニヨン・マルヴァジーア」という白ワインです。こちらはお値段が1,000円前後で、ソーヴィニヨン・ブランとマルヴァジーア・ビアンカという品種をブレンドしています。オレンジなどの柑橘とハーブの香り、味わいはフルーティーですが程よい酸味もあってフレッシュさも感じられ、するすると飲めます。暑くなってきたらキリリと冷やしめで飲むのがイチオシです。料理にも合わせやすく、カルパッチョやシーフードサラダなど、前菜・魚介料理との相性は抜群です。
今回は以上です。
それではまた次回、よろしくお願いします。